盡心章句下
二十二
高子曰、禹之聲尚文王之聲、孟子曰、何以言之、曰、以追蠡、曰、是奚足哉、城門之軌、兩馬之力與。
高子が孟子に質問した。
高子「禹の音楽の方が文王の音楽よりすぐれていますね。」
孟子「どうしてそんなことを言う。」
高子「追(鐘の取っ手)がぼろぼろになっています。(つまりそれだけ人がひんぱんに演奏したということです)」
孟子「それだけでは判断できないだろうが。城門に車のわだちの跡がついているだろう?あれは車を引っぱる馬の力で付いたのだ。」
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この章について吉田松蔭は、朱子が意味不明として解釈を放棄していることを理由として、コメントを控えている。「禹の音楽は力いっぱい鐘をたたくから、いたみやすいだけだ。批評はもっと原因を考えてやれ」と言いたかったのだろうか?
(2006.04.07)