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盡心章句下






孟子曰、有人曰我善爲陳、我善爲戰、大罪也、國君好仁、天下無敵焉、南面而征北夷怨、東面而征西夷怨、曰奚爲後我、武王之伐殷也、革車三百兩、虎賁三千人、王曰無畏寧爾也、非敵百姓也、若崩厥角稽首、征之爲言、正也、各欲正己也、焉用戰。

孟子は言う。
「『私は布陣に長けて、戦争が巧みである』などと言う者は、大罪人である。国の君主が仁を好めば、天下に敵はないのだ。南に向って征伐すれば北の蛮族が怨み、東に向って征伐すれば西の蛮族が怨むだろう。彼らは言うのだ、『どうして私たちの解放を後回しにするのですか!』と。武王が殷を討ったとき、戦車はたったの三百輌で虎賁(こほん。親衛隊)は三千人しかいなかった。しかし武王は言ったのだ、

諸君、恐れるな!余の敵は、人民ではない。

と。そう宣言するや否や、人民はどっと崩れるように頭を地に打ち付けてひれ伏したのだ。『征』の字の本来の語義は、『正』すなわち正しいということである。全ての人が皆『正してほしい』(つまり、『征してほしい』)と思うならば、どうして戦いに訴える必要などあろうか?」

梁恵王章句で展開された仁者無敵論を再び繰り返して述べている。戦争の巧者を大罪人として弾劾するのは、離婁章句上、十四などからの続きである。前の章と併せて、武王の殷討伐がいかに容易に行なわれたかを(勝手に解釈して)説明している。おそらく歴史的事実であるまい。


(2006.03.31)



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