続読荀子 ホーム


盡心章句上



三十




孟子曰、堯・舜性之也、湯・武身之也、五覇假之也、久假而不歸、惡知其非有也。

「堯と舜は、『これ』を本性のままに行なった。湯王・武王は、『これ』を努力して身に付けた。五覇は、『これ』を仮に用いた。五覇たちはずっと仮に用いて手放さなかったので、とうとう彼らが本当は持っていなかったことに気付かずじまいであった。」

『これ』とは、当然のことながら仁義の徳のことである。春秋の五覇については、告子章句下、七を参照。ただし儒家がこうまで五覇を貶めるのは、その一面の理由として五覇の代表格の斉の桓公・晋の文公の功績を過小評価して、彼らの国を乗っ取った宣王の斉(田斉)や恵王の魏に対して新時代にふさわしいユートピア像を開示する狙いもあったのではなかろうか。戦国時代の各国が新時代のイデオロギーとしていにしえの黄金時代の再現を求めたことが、戦国時代の諸子百家たちがしきりに聖王の功績にかこつけて自説を展開しようとした傾向に顕著に出ているのではないだろうか。


(2006.03.21)



「孟子を読む」トップへ    ホームへ戻る



菜単
≪ メニュー ≫

梁惠王章句上

/七(その一その二その三

梁惠王章句下

十一十二十三十四十五十六
雑感その1その2

公孫丑章句上

/二(その一その二その三その四その五)/
仁・隣人愛・決意

公孫丑章句下

十一十二十三十四「見られる」倫理

滕文公章句上

/三(その一その二)/四(その一その二その三)/

滕文公章句下

/九(その一その二)/

離婁章句上
はコメントあり》


十一十二十三十四十五十六十七
十八十九二十二十一二十二二十三二十四二十五二十六二十七
二十八

離婁章句下
はコメントあり》

十一十二十三十四十五十六十七十八十九二十二十一二十二二十三二十四
二十五二十六二十七二十八二十九
三十三十一三十二三十三三十四
古代中国にデモクラシーを!?(その1その2

萬章章句上

萬章章句下

/四(その一その二)/

告子章句上
はコメントあり》

十一十二十三十四十五十六十七十八十九二十

告子章句下
はコメントあり》



十一十二
十三十四
十五十六

盡心章句上

十一
十二十三十四十五十六十七十八十九二十二十一二十二二十三二十四二十五二十六二十七二十八二十九 三十三十一三十二三十三三十四三十五三十六三十七三十八三十九四十四十一四十二四十三四十四四十五四十六

盡心章句下

十一十二十三十四十五十六十七十八十九二十二十一二十二二十三二十四二十五二十六二十七二十八二十九三十三十一三十二三十三三十四三十五三十六/三十七(その一その二)/三十八


おわりに