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盡心章句下






孟子曰、春秋無義戰、彼善於此、則有之矣、征者上伐下也、敵國不相征也。

孟子は言う。
「歴史書『春秋』を読むと、そこには義戦は全くない。まあこれの方があれよりましとかいう程度のものならば、ないわけではない。だがそもそも征伐というのは、上が下に対してするものだ。対等の敵国同士は征伐できない。(天子の下に諸侯が服す、というあるべき根本の秩序が乱れているから、この時代の戦いは全て義戦でないと評価するしかない。)」

孟子の歴史観を、『春秋』によって表明したものである。だが、これまでも疑義を検討したように、『春秋』じたいが孟子ら戦国時代の儒家の歴史観を反映させて作られた書なのかもしれない。たとえ歴史的事件そのものに手を加えなくても、叙述する者の価値判断によって歴史は方向づけて語られる。『春秋』に義戦がないと言うのは、マルクシズムから見れば「よい資本主義体制」などないのと全く同じ理屈である。


(2006.03.30)



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