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盡心章句上



三十三



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王子墊問曰、士何事、孟子曰、尚志、曰、何謂尚志、曰、仁義而已矣、殺一無罪、非仁也、非其有而取之、非義也、居惡在、仁是也、路惡在、義是也、居仁由義、大人之事備矣。

王子墊(おうじてん。テンは「執のしたに土」。以下、王子テンと表記)が質問した。
王子テン「士(朱子は一般家臣という意味に取っているが、むしろ上流階級一般を指していると考えたほうがよいだろう)たるものは、何に従事すべきなのですか?」
孟子「志を高く持つことです。」
王子テン「志を高く持つとは、どのようなことを言うのですか?」
孟子「仁義に則ること、これだけです。罪無き者を一人殺すならば、それは仁ではありません。自分のものでないものを奪うならば、それは義ではありません。居るべきところは、仁。通るべき道筋は、義。仁に居て義に沿って行けば、大人(たいじん。離婁章句下、十一参照)の条件に十分なのです。」

本章も「大人」、言い換えれば君子のあるべき姿について論じたものである。

仁は居るべき所であり、義は通るべき道筋だということは、これまでも何度となく繰り返されてきたたとえである。離婁章句上、十ではこれを「仁とは人の『安宅』、義とは人の『正路』」だと表現していた。萬章章句下、七ではさらにそれに加えて、「礼は門」だとも形容されている。


(2006.03.23)



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