盡心章句上
四
孟子曰、萬物皆備於我矣、反身而誠、樂莫大焉、強恕而行、求仁莫近焉。
孟子は言う。
「万物は、ことごとく我に備わっているのだ!自らの身を反省して誠であれば、これほど大きな楽しみはない!恕(じょ)の心を努めて行動すれば、仁を求めるのにこれほど近い道はない!」
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本章も、前章のテーマからの続き。「万物は、ことごとく我に備わっているのだ!」(萬物ハ、皆我ニ備ワルカナ)という格言を哲学的に解釈することもできるだろう。
「恕(じょ)」という概念は、『論語』でたびたび出てくる。だいたい「他人に対する情け心」というニュアンスであろうか。すなわち「仁」のことに他ならない。
(2006.03.10)